2017年12月12日火曜日

【イベントレポート】Language Beyond(第1回)

杉並区善福寺のスペース「あなたの公-差-転」と一緒におこなうブッククラブ「Language Beyond」をスタートしました。

第一回は12月9日におこない、以下の2冊の本をめぐっておしゃべりしました。

・井上靖『天平の甍』
・イェホシュア『エルサレムの秋』

レポートはこちら。
http://kosaten.org/ja/language-beyond1report/

新しく参加してくださる方をお待ちしております。



2017年12月10日日曜日

「みなとの世界文学」について私たちが考えていたこと

「みなとの世界文学」、ご来場ありがとうございました!
私たち企画チームにとっても未知の体験だったのですが、参加してくださった皆さまには楽しんでいただけましたでしょうか。

当日のレポートを、寺田凜さんが〈SHIP〉プログラムのページ上にアップしてくださっています。Twitterでも、伏見瞬さんが当日リアルタイムでつぶやいてくださっていたものを中心にまとめてあります。よろしければぜひぜひ、ご覧ください。→【イベントレポート

ここではわたしたち企画チームの側の視点から、イベントの企画と運営を通じて考えていたことを振り返りたいと思います。かなり長文です。よろしければお付き合いください。
文中【 】内は思考の参照点です。ご参考になさってください。 (文責:工藤)

当日完成した〈詩〉たち


2017年12月8日金曜日

【イベントレポート】みなとの世界文学

12月3日に文学イベント「みなとの世界文学」を、横浜・若葉町WHARFにて開催しました。
このイベントは、俳優たちが滞在制作・WS・作品発表・イベントをおこなう合宿型育成プログラム〈SHIP〉のなかで行われました。
*次なる舞台俳優のための育成プログラム〈SHIP〉について:FacebookTwitter

◆Twitterのモメント


◆イベントレポート①(寺田凜さん)

◆イベントレポート②(寺田凜さん)



2017年12月7日木曜日

メンバーズ(vol.2)

「ゆめみるけんり」vol.2、発売間近です。(以下は本誌に掲載されている内容です。)

今回寄稿してくれたみなさんに、自己紹介に代わり、次のお題で一文書いてもらいました。

「はたらく」ときにある、ちょっと楽しい瞬間について。あるいは「はたらく」ときに見える、風景について。
*印で記したのは、各々が考える「はたらく」ことについての本です。


◆藍屋菜々子(あいやななこ)
Twitter/Instagram:@i8nanak
Web:aiyananako.jimdo.com
雪が好きです。しんしんと雪が、風景をまっしろの非日常にしていくのを眺めていると、地球の重力が揺らぐような気がして、痛みも和らぐのがふしぎです。合わなかった飲食店バイトも、雪の日だけはへっちゃらでした。
 *西村佳哲『自分をいかして生きる』

◆葛西裕人(かさいゆうと)
本を紹介することで、自己紹介に代えます。
 *玄田有史『14歳からの仕事道』
 *柏木博『家事の政治学』
 *M. Frauenfelder『Made by Hand:ポンコツDIYで自分を取り戻す』

◆工藤順(くどうなお)
https://junkdough.wordpress.com
知人が亡くなったという報せを受けたのは月曜深夜でしたが、翌火曜日に仕事をしながら考えたことは、はたらくことは耐えがたい強制力でもあるが、そのルーティンでもってはり裂けるような心情に蓋をしてくれる、ということでした。それが善いことなのか悪いことなのか、私には判断がつきませんでした。
 *よしながふみ『きのう何食べた?』

◆倉畑雄太(くらはたゆうた)
これまで働くことについて深く考えたことがなく、なかなか本が思い浮かびませんでした。結局、原稿の提出が最後になってしまったようです。
ふと脳裏に浮かんだのは、文学に別れを告げアフリカへ渡ったランボーと、文学に別れを告げられず働く自分でした。
 *『ランボー全集』(青土社、2006)

◆Copal Ildeaux(こぱるいるどー)
Instagram:@copal.ildeaux
「社会のなかではたらく」って、それぞれの才能を持ち寄って、弱さをかばい合って共に生きていくことだと思います。だから、「はたらく」って、きわめて人間(じんかん/にんげん)的な行為だなと、肯定したいです。
 *石渡晃一『ぼくは、世界一楽しいサラリーマン』

◆砂漠で生きる(さばくでいきる)
Twitter:@mstkaqrg
はたらいているとき楽しいのは移動するときです。電車やバスの中で、次の打ち合わせの準備をしたり、スマートフォンをチェックしたりしてはいけません。遠くの山や雲を見るのです。間抜けな顔で見るのです。
 *夏目漱石『それから』

◆つぐみ
お揃いのピンクのバーキン。シャネルの香水。雑誌のワンピース……「普通に」幸福にOLをしていると、すべての労働は「恋愛」にそっくりだと悟る。愛も資本主義も手難しいからこそ、普通にはたらくって大変!
 *岡崎京子『pink』

◆西岡かれん(にしおかかれん)
文学研究者(のたまご)として、わたしの仕事はいつも、小説の向こうに広がる景色を見ようとする試みから始まります。それがテキサスの牧場であれ、ニューヨークの摩天楼であれ。
 *村上春樹『職業としての小説家』

◆野中沙織(のなかさおり)
あまりに切羽詰まりすぎて、みんながずっとニコニコ笑いながら仕事をしていたときは楽しかったです。
 *アンソニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』

◆藤田瑞都(ふじたみさと)
プログラムを流すときの、スナップの効いた感動的な指づかい。
まーちゃんだって、マイクをまわす。
ほんとはだれだって、いつだって、踊りたい。
 *栗原康『死してなお踊れ:一遍上人伝』
 *エリック・ホッファー『エリック・ホッファー自伝:構想された真実』
 *中里仁美『善き門外漢 vol.3 アウトサイダーの向上心』

◆堀池沙織(ほりいけさおり)
職場の窓から見える東京です。夜に静かに煌めくビル群と東京湾、スカイツリー。就職で上京した私にとっては孤独の景色であり、今までの仕事での大切な出会いを包含するあたたかな景色です。
 *David Foster Wallace “This is Water”

◆八木ひろ子(やぎひろこ)
通勤電車の窓からは東京の景色が見えます。いいことのあった日はキラキラして見えます。
 *大島弓子『毎日が夏休み』

2017年11月19日日曜日

vol.2掲載のイラスト、ちょこっとお見せします。

ゆめみるけんり vol.2の編集作業が、いよいよ佳境に入ってまいりました。
日々の仕事や生活のあいまにちょこちょこ作業しているものですから、カメの歩みのスピード感で進んでいます。年明けごろには世に出したいなあ、なんて考えているところです。

そんなわけで今回は、vol.2の中に盛り込んだイラストの一部をちょこっとお見せしますね。

一つ目は、ゆめみるけんりのエンブレムです。

ギリシア語で「詩」を意味するΠοίηση(ポイエーセー)という言葉を戴いた桂冠詩人は、微笑みながらすやすや眠っています。


*****

二つ目は、vol.2の目玉特集「わたしと、はたらくこと」の章扉です。
オフィスでパソコンに向かう女性が、ぼんやり窓の外を眺めています。どうやら高層ビルの一室のようですね。

クライスラー・ビルのような建物が見えます。舞台はニューヨークでしょうか。下の道路からは、黄色いタクシーたちのクラクションが聞えてきます。

彼女はジャーナリスト?それともファッション関係?はたまた、金融業界のキャリアウーマンかしら。そんな想像が連想させる慌ただしさとは裏腹に、彼女はぼーっと、どこかを見つめています。視線の先に、あなたは、何を見ますか。



(文責:Copal Ildeaux)

2017年11月18日土曜日

【イベント情報】12月3日「みなとの世界文学」@若葉町WHARF(横浜)

12月3日に、「ゆめみるけんり」参加者が企画するイベントを、横浜で行います。
Facebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/171751883406745/

文学×演劇=?


本を読む行為=読書は、基本的に一人でおこなうものですが、これをパブリックに開いたとき、いったい何が生まれるでしょうか。

『みなとの世界文学』は、文学と演劇とのあいだで、ブンガクの新しい読みかたを模索する試みです。俳優たちの力をかりて、ワークショップ形式で行います。多様な文化・価値観が混淆するみなと町=若葉町という場所とも対話をしながら、いくつかのアクティヴィティを通して、わたしたち読者が語り、表現するためのアクティヴな「読みかた」を探ってみませんか。

*当日は、【「みなと」ということばから思い浮かぶ本・テクスト】を何かひとつお持ちください。なにか本1冊でもいいですし、詩でも、歌でも、俳句でも、街で見つけたことばでも、子どもの頃に耳にしたお話でも。自己紹介やワークショップで使いたいと思います。

日時:12月3日(日)14時〜17時(予定)
場所:若葉町WHARF WHARF01
参加費:1000円
持ち物:「みなと」から連想する本・テクスト1点(”本”には限りません)

★ご予約は締め切りました★
以後のお問い合わせは、droit.de.yumemir@Gメールドットコムへお願いします。


2017年10月9日月曜日

【イベント情報】Language Beyond

ゆめみるけんりの周辺で、こんなイベントを企画しました!

本を読むこと、読むことをきっかけに新しい人たちと出会うこと、本についておしゃべりすること、自分や他のひとについて対話をかわし、ふかく知りあうこと……本/読むことがもたらす可能性に興味がある方の参加をお待ちしています。

Language Beyond:ブッククラブを企画しましょう
日時:10月28日(土)16時〜
参加費:無料
場所:あなたの公-差-転 (アクセス

★イベントのページはこちらです↓
http://kosaten.org/event/languagebeyond/


2017年9月14日木曜日

コンテンツ(vol.2)

『ゆめみるけんり』vol.2が、とうとう出版できました!
特集は「わたしと、はたらくこと」。毎日わたしが煩わされている、この「はたらく」の正体はいったいなんなのか? こんな問いかけに、9の応答がなされました。


『ゆめみるけんり』 vol.2
◆特集:わたしと、はたらくこと
・Copal Ildeaux「stay disconnected: 淀屋橋 7:30 am」
・藍屋奈々子「はじまるまえ」
・オシップ・マンデリシュターム/葛西裕人「黒土」
・野中沙織「朝」
・アーネスト・ヘミングウェイ/堀池沙織「異国にて」
・砂漠で生きる「日曜日のコント」
・パーヴェル・フロレンスキー/工藤順「1937年、ソロフキ。最後の手紙」
・ウォルト・ホイットマン/倉畑雄太「奇跡」
・エドワード・トマス/八木ひろ子「ザ・ミルウォーター」

*Kindle版のみ、セルゲイ・エセーニン(工藤順訳)「ソヴィエトのルーシ」収録。

◆特集2:アメリカの歌は、だれの歌?
・ラングストン・ヒューズ/Copal Ildeaux「詩二篇」
・西岡かれん「『たかが映画じゃないか』とヒッチコックは言った ——アメリカに留学して人種の問題について考えたこと——」

◆連載
・フェルナンド・ペソア/ふじたみさと「船乗り――一幕の静劇(完)」
・ニコライ・フョードロフ/工藤順「著作者の義務と、博物館=図書館の権利(1)」

Oil paintings by Copal Ildeaux
DTP by 倉畑雄太+工藤順
Photos by ふじたみさと(と西岡かれん)
Cover design by つぐみ


+++
Finally vol.2 of “yumemirukenri” is out now!
The issue is: "I, working." What can be said about the "work" in which we are forced to engage everyday? — 9 authors have responded to the question.

yumemirukenri vol.2
◆Issue pt.1: I, working
- Copal Ildeaux “stay disconnected: 7:30 am at Yodoyabashi”
- Nanako Aiya “Far from Our Beginnings”
- Osip Mandelstam / Yuto Kasai “Чернозем (Chernozem)”
- Saori Nonaka “Good Morning”
- Ernest Hemingway / Saori Horiike “In Another Country”
- sabaku de ikiru “Conte du Dimanche”
- Pavel Florensky / Nao Kudo “Solovki, 1937. The last letters.”
- Walt Whitman / Yuta Kurahata “Miracles”
- Edward Thomas / Hiroko Yagi “The Mill-Water”

- (Kindle only) Sergey Esenin / Nao Kudo “Soviet Rus'”

◆Issue pt.2: “I hear America singing...”
- Langston Hughes / Copal Ildeaux “Two Poems”
- Karen Nishioka “‘It’s Only a Movie’: a Short Essay on My Stay in Princeton”

◆Serials
- Fernando Pessoa / Misato Fujita “O Marinheiro -2-”
- Nikolai Fyodorov / Nao Kudo “Author’s Responsibility and the Right of Library as a Museum -1-”

Oil paintings by Copal Ildeaux
DTP by Yuta Kurahata + Nao Kudo
Photos by Misato Fujita (+Karen Nishioka)
Cover design by Tsugumi


ウズベキスタンでもひとははたらいていた(9/7、サマルカンド)

*跋(あとがき)より……
  (……)「はたらく」の特徴は、いずれ自分に何らかのかたちで結果が帰ってくるにせよ、必ず一度はその行為が外に向かうということにある。それならそれで良さそうなものだ。我々が何かを提供し、その何かの受け手が我々に対価を与える。これはふつうwin-winの関係とよばれる。それならば、我々はなぜ「はたらく」ことで、こんなにもしんどい、苦しい、耐えがたい思いをしなければならないのか?
 3つほど思い浮かぶことがある。
 一つには、win-winという発想、つまり義務化された平等の苦しさがある。我々には相手を得(とく)させる義務があり、相手には我々を得(とく)させる義務がある。こうした意味での平等は、常に功利主義的な匂いをまとっており、それは結局のところ、正常な人間関係とはいえない関係なのだと思う。人間関係とは、迷惑の掛けあいなのだ、とあえて言いたい。我々は得だから愛するのではない。
 二つめとして、この関係がwin-winであってloose-looseであってはいけないということの意味を考える。「はたらく」の関係は、お互いに絶対にプラス・利益をもたらすものでなくてはならない。マイナスになるもの、あるいはニュートラルなものは認められない。怠惰や余暇、睡眠、怪我、役立たず、無用などは許容されない。「はたらく」関係において、それらは徹底的に排除されるか、あるいは下賜される特権として与えられる。
 三つめには、純粋な労働はあり得ないということだ。我々が「はたらく」ときに、必ず付加的に奪われるものがある。例えば時間や体力、人間としての個性、アイデンティティなどが挙げられるだろう。際限なく仕事に身をまかせることは、個たる人間としての生活が奪われることだ。
 そしてこの「はたらく」には、終わりがないように思ってしまう。我々はいつまで「はたらく」をやめない/やめられないのか。「はたらく」の論理は、休日にもついてまわるだろう。「せっかくの」休日。用事がないことは、もったいないことなのだ。人に会わなければ。イベントに行かなければ。買い物をしなければ。「したい」とはどこか違う、この義務感、空白への恐怖は、まぎれもなく「はたらく」がもたらすものだと思う。これはいつまで続くのか?
 いまこの時代にあって、「はたらく」は多様化している(と、少なくともメディアは言う)。であるならば、ポケットに詩集を入れておくように、わたしはいっそ「はたらかない」を選択肢に入れておきたい。結局、はたらきたくないのだ。資本主義は言うだろう。「成長するためには、はたらかなければならない」。誰のための成長なのか。「世界のため、社会のため、身の回りのひとのため、ひいては、お前自身のためだ」。ありがとう。けれども、余計なお世話だ。休ませてほしい。立ち止まらせてほしい。すれ違う多くの顔が、そう言っている。一度立ち止まって、わたし自身のことを、身の回りの人たちのことを、社会のことを、世界のことを、考えはじめるために、私たちはこうして一冊の本を出してみることにした。 (工藤順)

2017年6月10日土曜日

翻訳権スタディーズ

vol.1でロシアの思想家フョードロフの文章を訳しながら、著作権のことについて考えていました。

本文のなかで述べたように、著作者の死後50年とか70年にわたり著作物を独占できる状態に置くことの是非についてはいったんは留保するとして、日本で出版をするからには日本の著作権制度について勉強する必要があるでしょう。

そこで、文化庁の「著作権テキスト」(平成28年度版)というものを読んでみました。
★文化庁HPよりダウンロード可↓
http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/kyozai.html(ページ中段)

以下、私が理解した限りでのメモです。(文中【§○】は、著作権法の条項番号)


2017年5月16日火曜日

【募集終了しました】ゆめみるけんりに参加しませんか?

ゆめみるけんりは、夏から秋にかけて「ゆめみるけんり vol.2」を製作します。あなたもゆめみるけんりに参加しませんか?

興味をお持ちの方、まずはメールで一報ください。アドレスは、「droit.de.yumemir@Gメールドットコム」です。

vol.2へむけた寄稿の〆切は、【8月1日(火)】とします。
寄稿をありがとうございました。現在、10名の著者とともに、鋭意製作中です!

yumemirukanri is planning to produce the vol.2 of our zine "yumemirukenri" in summer to autumn this year. Why don't you join us?

If you are interested in writing (creating) something for our zine, plz contact us via e-mail: droit.de.yumemir#gmail.com [replace # with @ when you send].

The deadline for the submission of your material for the zine is August 1st (tue).
Thank you for sending us your material. We have 10 writers with us. Edit process is on going!


2017年5月9日火曜日

「ゆめみるけんり」vol.1

表紙デザイン:つぐみ
Cover designed by Tsugumi

「ゆめみるけんり」vol.1(2017年2月発売)
特集「冬/雪」

コンテンツ:今号の目次。
メンバーズ:今号に参加した人たち。

・電子書籍版:Kindle Storeにて販売中です。300円。
・紙版:2017年5月刊行。都内書店にて販売中。【入手方法】をご覧ください。

Our zine "yumemirukenri 01" is now on sale. The issue is: Hiver / Neige.
E-book can be purchased on Amazon's Kindle Store  for approx. $3.00.
Also, printed ver. is available. You can purchase at book stores in Tokyo. See the page "How to purchase?".

*一部価格を改定しました(2017年12月7日)

〈vol.1によせて〉

詩はナイフ、日常を切り裂くための、詩は避難所、満員電車の絶望的な相互憎悪からの、詩は空間、わたしが生きるための、それは生活、それは塵芥、捨てられるもの、詩はそれでないもの、あれかこれかではないオルタナティヴ、詩は飛行、宇宙への思考、詩は間(あいだ)、社会と生活の、詩は脆さ、ことばの、私たちの、詩は確かさ、最後に残るもの、詩は権利、地下鉄の速度のなかで、過密のなかで、それはゆめみるけんり。

 「ゆめみるけんり」は、社会に居ながら自分(たち)の生存空間を確保するための試みです。

#

Poetry is a knife, that is to tear the routine, and is a shelter, from the mutual hatred inside the rush-hour train, and is a space, that is for me to live in, it is a life, it is a dust, that is to be swept away, and is what is not that, an alternative to either / or, and is a flight, a thought toward the universe, and is a betweenness, between society and me, and is fragility, of words, of ourselves, and is certainty, that remains to the end, and is a right, in the speed of running subway, in the midst of the density in it, poetry is a right to dream.

ゆめみるけんり is an attempt to ensure our space for living from inside the society.

(工藤佯/Yoh Kudo)

2017年5月8日月曜日

MAKING OF②:団体口座とKDPアカウント

ここでは、ゆうちょ銀行団体口座と、Kindle Direct Publishing(KDP)アカウント設定の方法について書きます。
※この記事は、専門的な知識を持たない個人が、自らの経験をもとに、専ら備忘のために書き記す内容です。詳細な部分については事実と異なる場合がありますのでご留意ください。

2017年5月7日日曜日

MAKING OF①:電子書籍のつくりかた

私たちゆめみるけんりは、Kindleでzine「ゆめみるけんり vol.1」を出版しました。ここでは、電子書籍のつくりかたを(ざっと)解説します。

《手順》
①原稿を準備する(テクスト)
 →②原稿を電子書籍の形式に流し込む(テクスト→epub)
  →③適切なフォーマットに変換する(epub→mobi)
   →④アップロード&公開する

《準備したもの》
・原稿
・BCCKSアカウント
・Kindle Direct Publishing(KDP)アカウント
・ゆうちょ銀行の団体口座

2017年4月20日木曜日

【終了】文学フリマ:文学フリマ@東京(5/7)に出店します

【予定部数を完売して終了しました!お手に取っていただきありがとうございました。】

ゆめみるけんりは、第二十四回文学フリマ東京に出展します。

■期日:2017年5月7日(日)
■時間:11時〜17時
■場所:東京流通センター・第二展示場(東京モノレール「流通センター」駅徒歩すぐ、JR「大森」駅からバス12分、京浜急行「平和島」駅からバス4分)
※詳細は→http://bunfree.net/?tokyo_bun24

■ブース:2F・イ-57

当日は、刊行間近の「ゆめみるけんり vol.1」を販売します。

2017年2月27日月曜日

ゆめみるけんり:マニフェスト的な

どうやって?」と私たちは呟くことになります。通勤電車、満員のなかでどうやって、どうやって詩を擁護していけるというのか?

ゆめみるけんりは、今のところ10人前後、東京と広島に住む同世代のゆるやかなつながりです。大半のメンバーは様々な地域の文学(英米、ロシア、アラビア、ヒンディー…)を大学で専攻した挙句に、社会に放り出されることになりました。私たちにとって文学は、生きることであり、多様な可能性そのものでした。だったのに。いま私たちは雑踏の中で自問し続けることになってしまったのでした。「社会の中でどうやって、文学あるいは詩を、つまりは私たちであるところの私たちを、擁護し続けていくのか?」 実際のところ、どうしたら良いのでしょうか。

私たちは社会に出るとともに、限りなく一人になってしまった——そんなふうに感じます。会社のなかで、通勤電車のなかで、私たちには殻を脱ぎ捨てることができません。周囲には溢れるほど人がいるのに、なぜか私たちはますます一人に還ってゆく。私たちは個として、朝起き、地獄のような電車に乗り、会社に入り、仕事し、会社から出て、帰路につく。そのルーティンには、詩の入り込む隙間がありません。私たちは眠ります——明日寝坊しないで起きられる、ただそれだけのために。

しかし思うのです。この人を人とも思わぬ満員電車の最中で、社会のなかで、それでもなお、私には詩への権利がある。夢みる権利がある。口幅ったいのでひらがなにしましょう、「ゆめみるけんり」と。——こうしてゆめみるけんりは生まれ、人から人へ伝わって、新しいつながりを生み出し、いまここにzineをつくるという共通の目的のために人が集まって一緒に仕事をすることになりました。今後zineづくりとともに、それを核として何か文学・詩のための場を作るためのイベントなども企画していけないか、と考えているところです。

「詩」は、「文学」は、しかし、社会的なるものに反対するものとしてのそれではありません。私たちには生活があり、社会があり、その第三の道、オルタナティヴとして考えてみたらどうでしょうか。私たちにとって、文学は、コミュニカティヴな、開放的な、新しいもの・人との出会いや経験を分かちあう楽しさに溢れた場です。私たちにとって、詩は、生きる経験です、とても脆く危ういが、それは私たちの可能性です。そういうことを愚直に、あいもかわらず、信じ続けていけるために。


文責:工藤順/text: Nao Kudo
2017.2.27 / rev. 2019.3.16

2017年2月25日土曜日

コンテンツ(vol.1)

2017年2月25日に、私たちの初めてのzine「ゆめみるけんり vol.1」を出版しました。まずはKindleで購入できる電子書籍からスタートです。紙版も出版済みですが、在庫僅少状態です。詳細につきましては、メール(droit.de.yumemir@gメール)にてお問い合わせください。5月の「文学フリマ」にも出店しました。
目次は以下の通りです。アメリカ、ポルトガル、ロシア、イタリア・・・様々な国の作家がそろいました。

We have published our first zine, "yumemirukenri 01" on 25 Feb 2017. Now E-book can be purchased on Amazon's Kindle Store. Also, printed version is ready, but the lot is limited. For details, plz contact us via e-mail (droit.de.yumemir@gmail...). Thank you for visiting us at 文学フリマ in May.
Contents on vol.1 is as follows. Original authors are from various parts of world; USA, Portugal, Russia and Italy. We regret that mainly the zine is in Japanese, due to the aim of the zine - translating poetry in various language into Japanese.

「ゆめみるけんり」vol.1

◆◆◆ 特集:冬/雪 ◆◆◆
・Copal Ildeaux「雪のブロードウェイ」(油彩)
・ロバート・フロスト/葛西裕人「カバノキ」
・砂漠で生きる「長い冬/短い旅」(小説)
・アレクサンドル・ブローク/工藤順「『雪のマスク』より、雪の部」
・ダンテ/内藤嵩久「『神曲』地獄篇より」

◆◆◆ 特集2:夢たち ◆◆◆
・八木ひろ子「海辺の世界の物語」(エッセイ)
・フェルナンド・ペソア/ふじたみさと「『船乗り』/エピグラム」(戯曲とエピグラム)

◆◆◆ ステイトメンツ ◆◆◆
・ミケランジェロ/Copal Ildeaux「システィーナの天井画を描いたときのこと」
・ふじたみさと「日記」(断章)
・ニコライ・フョードロフ/工藤順「著作者の権利と著作者の責任、あるいは義務」(エッセイ翻訳と解説)


yumemirukenri 01

     issue: winter/snow
- Copal Ildeaux “Broadway in Snow” (painting)
- Robert Frost / Yuto Kasai “Birches”
- sabaku de ikiru “Long Winter / Short Trip” (novel)
- Aleksandr Blok / Nao Kudo “The Snow Mask: Snow”
- Dante Alighieri / Takahisa Naito “Divina Commedia: Inferno”

     issue 2: the dreams
- Hiroko Yagi “A Story from the World on the Shore” (essay)
- Fernando Pessoa / Misato Fujita “O Marinheiro” and epigrams (static drama, epigrams)

     statements
- Michelangelo Buonarroti / Copal Ildeaux “Quand L'Autore Dipingeva la Volta Della Sistina”
- Misato Fujita “Fragment” (fragment)
- Nikolai Fyodorov / Nao Kudo “Author's right and responsibility, or his duty” (translated essay with commentary)



*「はじめに」より……
(……)「ゆめみるけんり」は、社会に居ながら自分(たち)の生存空間を確保するための試みです。(工藤順)

メンバーズ(vol.1)

目下9人でやっています。2016年の東京国際文芸フェスティバルというイベントのなかで、「多文化の海をおよぐ」というオリジナルイベントを一緒に運営したメンバーを中心にして、いろいろな人たちが参加してとりあえずのコミュニティを形作っています。

ほとんどのメンバーがそれぞれ様々な言語圏(英米、ロシア、アラビア、ヒンディー、イタリア・・・)の文学を専攻していたのですが、それぞれのタイミングで大学を卒業して社会に放り出されることになりました。「ゆめみるけんり」は、すなわち通勤電車のなかで夢をみる権利と言ってもいいかもしれません。「どのようにして社会の中で、詩を擁護しつづけられるか? 詩のための、すなわちわたしのための場所を確保できるか?」という問いかけが私たちの中心的な問題設定です。

本誌から、メンバー自己紹介を転載します。

***

〈葛西裕人 Yuto Kasai〉
白樺にかこまれた道東で、いくつかの夏をすごしたことを思いだしました。

〈工藤順 Nao Kudo〉
ロシア現代文化(詩)。図書館ではたらいています。身体の一部が次第に本になりつつあるのではないか、という疑念、そして恐怖と闘っています。☞https://junkdough.wordpress.com

〈倉畑雄太 Yuta Kurahata〉
大学時代、インドのペルシア語詩について学ぶ。

〈砂漠で生きる sabaku de ikiru〉
1人生活ユニットです。生活をすることで生活を成り立たせています。☞twitter:@mstkaqrg

〈つぐみ Tsugumi〉
広島でOLやってます。苦手なこと。おいしいご飯を作ること。上手にお酒を呑むこと。

〈内藤嵩久 Takahisa Naito〉
1993年新潟県燕市生。

〈藤田瑞都 Misato Fujita〉
孤独だったペソア。自分の名前すら忘れるような、冬の深い眠りを、かれももとめたでしょうか。

〈Copal Ildeaux〉
昼間は会社員、火曜の夜は画家に変身。
ダイヤモンドが似合う、カッコいいおばあちゃんに向けて年を重ねてゆきたい23歳。☞Instagram:@copal.ildeaux

〈八木ひろ子 Hiroko Yagi〉
季節の中では冬がいちばん好きです。